再生可能エネルギーとしてのEFBの可能性
(1)Palm Oil Treeの活用とEFB
下図はPalm Oilの生産にともなって産出される製品、副産物とその重量の割合を示しています。FFBが100t生産された場合、EFBは約22t産出されるがその大部分は十分に活用されていない。EFBの有効活用は新しいバイオマス燃料市場をつくりあげ、それにより生産国における環境改善、雇用促進のみならず、日本のバイオマス発電所様に対し、木質ペレットに代わる新しいバイオマス燃料の選択肢を増やすことに貢献します。
マレーシアに広がるパーム農園
パームオイルの木からパームオイルを含んだ実fruitがとれます。オレンジ色をしたゴルフボール大のfruitが沢山実った大きな房を、Fresh fruit bunch(FFB)と言います。仮に100トンのFFBからどれだけのパームオイル産物がとれるか、下記に重量で表してゆきます。
100トンのFFBから、約66トンのFruitが採れます。後には約22トンの空果房Empty fruit bunch(EFB)が産出されます。
66トンのFruitからは、約22トンのPalm Oil、約2.5トンのPalm Kernel Oil、 約5~7トンのPalm Kernel Shell (PKS)が産出されます。
(2)パーム油生産量とEFB活用状況
下図は米国農務省公表データによる、パーム油の生産量の推移を表しています。パーム油の生産量は年々増加しています。
2014~15 | 2015~16 | 2016~17 | 2017~18 | 2018~19 | |
---|---|---|---|---|---|
インドネシア | 33 | 32 | 36 | 39 | 41 |
マレーシア | 20 | 18 | 19 | 20 | 21 |
タイ | 2 | 2 | 3 | 3 | 3 |
コロンビア | 1 | 1 | 1 | 2 | 2 |
ナイジェリア | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
その他 | 5 | 5 | 6 | 6 | 6 |
合計 | 62 | 59 | 65 | 70 | 73 |
2018年 インドネシア・マレーシアにおけるパーム油生産量は、61,500千トンであり、EFB生産量もほぼ同量の61,500千トンと推定される。
しかし、その70%が利用されていない。
(3) EFB賦存量は年間2,000万トン
2018年 インドネシア・マレーシアにおける、EFB生産量は61,500千トン
EFBは60%を超える含水率であるため、これを生成加工して含水率5~10%程度のEFBペレットを生産した場合、重量は1/3に減るためEFBペレットの賦存量は約2,000万トンと推定される。
搾油所でFFBからEFB繊維の山ができるまでの写真資料
搾油所にFFBが集荷され、実際に搾油所内がどのような設備、仕組みなのか?どのようにしてEFBが繊維になり、それが環境問題になるまで大量に廃棄されているのか?
これまでEFB自体、あまり見向きもされない世界でしたのでEFB繊維が捨てられるまでをスライド写真でご紹介します。